2016/08/19

SoundWarrior SWD-CL10OCX,SWD-CT10

今、CDプレーヤー(正確に言うとプレーヤーではなくトランスポーター)はSoundWarriorこと城下工業株式会社のSWD-CT10を使っていて、クロックジェネレーターとして同社のSWD-CL10OCXを繋げている。(ところでサウンドウォーリアって名前がダサいと思うのはおれだけか。いろいろな機器のOEM製造元らしいので、あまりかっこよくして出しゃばるわけにはいかないのかもしれない)
これにした理由は、設置スペースがターンテーブルやアンプに取られてしまい、フルサイズコンポのCDプレーヤーを置くスペースが無いから。大きいものを置ける場合はわざわざこれにする必要は無いと思う。CDをスロットイン・アウトする感触がチープで、いいものでは無いけどそれは別にどうでもいい。SWD-CT10単体の音質に関する感想はよく分からない。アップサンプリング機能も必須ではない。OlasonicのNANO-CD1と当然迷ったが、SWD-CT10が後発でクロック入力があり、価格もほぼ同じだからどうせならこっちでしょ、ということで。でも今思うとNANO-CD1のアルミダイキャスト一体型の筐体は結構いいかもしれないと思う。
クロックジェネレーターのSWD-CL10OCXはCD再生に必須ではなく、しかし端子が付いている以上試さずにはいられないという、マニヤ思考のアレ。
クロックについては以前rosendahlというメーカーの製品を持っていたことがあるけど当時は正直いって違いが分からず、音質の向上という意味では懐疑的だけど再び気になってしまい、ええーい買ってしまえーってな感じ。PCのオーディオインターフェースにも使えるし再び試す価値はあるだろう、と。

今回のSWD-CL10OCXは音質変化を認識できるか?という面では認識できた。ただまぁ、必須かというと別にそこまでではないかな...。これを使うと音のピントがビシっと合ったようになり、少し音が引っ込み奥行き感が増す。悪くないのは確かで、使わない方がいいということはないけど、使わないと聴いてられないというわけでもなく...。高解像度の追求に価値を置く場合はもっと喜べるだろうけど今そのモードではなくなっているので余計にそう思う。

SWD-CT10のサンプリング周波数設定は、SWD-CL10OCXのボタンから変更できるのでポチポチ押してアップサンプリングを試すわけだが、これも必須感は無い。よくアップサンプリングで音が良くなったという話があるけど、アップによって曲の情報量が増えるように思いがちだけどそうではなく、おそらくDAC側の処理が変わるとか安定するとかで結果的によく聴こえたということではないかと考える。サンプリング周波数でノイズが出る帯域が変わるといった話はどこかで見た。機器内部で強制アップサンプリングしているDAC,プレーヤーはまさにそれかと。

SWD-CL10は2モデルあって標準がTCXOのみ搭載で、名前に"OCX"が付いたものはTCXOとOCXO両方搭載しており、切り替えができる。この違いが、予想以上に分からない...(笑)。外部クロックのON/OFFはわかりやすいけど水晶発振の管理方式の違いは微妙、今のところ。精神衛生上は当然ながらOCXOの方がいいけど、おもむろにボタンを押してTCXOにしてみてもあれっ...。OCXOの44.1kHzよりTCXOの88.2kHzの方がちょっといいかな?とか色々やりだしてどーでもよくなってくるという。

電源は、FIDELIXのACアダプターを1つ持っていたのでこれを使ってみているが、SWD-CT10にFIDELIXをつけた方が全体的に音がシャープになり良い効果を感じる。上記のクロック周波数の違いとかTCXO/OCXOの違いとかより電源の違いの方が分かりやすく、意義を感じるのでSWD-CL10OCXにもFIDELIXをつけたいと思う。なんだよやっぱり電源かよー。FIDELIX電源にすると本体の大きさと電源の大きさがほぼ同じになり、相対的に強力な電源を使っていることになろう。



ARIWA再発

昨年、Mad Professor及びそのレーベルであるARIWA作品の再発盤が出ていたのを先日知って何枚か買った。発売すぐに買ってればマグカッププレゼントとかあったらしいが知らなかった。 ぃゃー、ダブ・レゲエ系にバックロードホーン型スピーカーはよく合う!バックロードホーンの意義をやっとまともに感じたかもしれない!? でも大音量出すと階下がヤバい! この手の曲は定位とか奥行き感とか無いので単純に低音の具合というところだけで。
っていうか、レゲエのサウンドシステムのウーハー部分ってバックロードホーンじゃないっすかあの形。そうかそうかなるほどなるほど。これは想像だが、屋外用サウンドシステムではホーンによる低音が気持ちイイのではなかろうか。ここ何年か全然行ってないけどフェスでもそういうのあったような気がするなぁ。スピーカーがホーンかどうかなんて気にしたことなかったからわからないけど。


"ARIWA SOUNDS:THE EARLY SESSIONS 1979-1981 (+8)"のサウンドが、なんだかとてもフィッシュマンズに似たものを感じる。時代が逆だからフィッシュマンズの先祖って感じ。

Technocraft Audiodesign MODEL45 II TUBE XLR

音楽CDって全然売れてないとは思うが、個人的にはなんだかんだでCDを再び買い出している。理由はダウンロードより大半は安い・CDで問題無いと感じられる機器構成になった(後述)・価値観の小変更が起きたから。
同価格同仕様でハイレゾダウンロード版が存在する場合はそれを買うことにしているが、残念ながらそのケースは少ない。ハイレゾ否定派ではないのにこうなってしまう。ちょっと値段高すぎやしませんかね日本のハイレゾ。bandcampとかbleepなんかはCD品質のままがほとんどだけどCDより安いので、こういう場合は迷うことなくダウンロードを買うけども。

今までもハイレゾだけ買ってたわけではなかったので、変わらないといえば変わらないが、精神衛生面が少し変わった。今まで、同一内容でハイレゾと非ハイレゾが両方発売されている場合に後者を買うのは価格差があるとはいえオーディオ趣味的に"ちょっと損した"気になっていたのだが、そう思わなくなった。CDで全然問題なしという感じ。これは、テクノクラフトオーディオデザインの製品によって起きた。

現在のCD再生用機器:
  • トランスポーター:Sound Warrior SWD-CT10
  • DAコンバーター:Technocraft Audiodesign MODEL45 II TUBE XLR
  • クロック:Sound Warrior SWD-CL10OCX
  • トランスポート用電源:FIDELIX ACアダプター電源
(写真を撮るために置いただけで普段ターンテーブルカバーには乗せていない)

重要なのはTechnocraft Audiodesign MODEL45 II TUBE XLRで、あとは特にコレでなければということはない。このメーカーは試聴機を貸してくれるのでwebを見て気になったら試すのがベスト。何年か前から存在は知っていたが、いくらwebを見ても主張が理解できず、他のメーカーでも同じような言葉を見かけるし、検索しても全然ヒットしないし、超マイナーだし、などなどで及び腰になっていたが、ブログも遡って見つつ何回か試聴もすれば「ああっもしかしてコレのことかな?」という程度になり、そのあとは何だか色々思うところが出てきて買ってみた。
このメーカーが言っていることは多分、
  • 音の良し悪しの判断基準は、音色や周波数帯域や特性で捉えるよりも、もっと良い方法がある。(今の主流が、無意識にその方向になっていそうなのが厄介)
  • その具体的ソリューションはグラウンドアイソレーションである。
ということだと思う(違うかもしれないので気になる人はweb見て各々判断してください)。
普通は、このあたりのことは広範囲にフワッとしていて、結局「好みの問題」ってことで収束すると思う。その中で比較的に言葉で説明しやすく、実際に聞いても変化を聴き取れるのが音色や周波数帯域・特性・価格などではなかろうか。しかしベースがフワッとしている以上、共通認識には限界があるし、好みの問題だと言われるとその先は無いし、そもそも高額すぎて買えないものにケチつけるのって変だし、安価なものと高価なものが並んでいて安価な方「が」(「で」ではなく)いいって言い切ることは中々難しいし、そこに提灯記事が混ざってきて...(あぁ趣味として斜陽感ありあり...)みたいな感じ。
この「好みの問題」領域に対してもう少し深入りして分析してやろうじゃないかというのがこのメーカーではないだろうか。「好み」とされている領域には、実は好みとして一緒くたにしない方がいい、技術的に迫れる部分が存在しているのだが、商売の都合もあるし触れずにおこう、とか、又は悪意ではなく純粋にそもそもその提案の意味がわからない、とか、そういう感じではないだろうか。(違うかもしれないので気になる人はweb見て各々判断してください)

おそらく、このメーカーのように明示はしていないからモヤモヤするものの、同じような思想と技術を持っているメーカーは他にもあるのではないか。ガレージメーカーは特にありそうな気がするがどうなんだろう。いや、あって欲しい。

真空管12AU7とマイナー?なICを使ったDACで、やはり12AU7らしい音がしますね、PCM16bit/96kHzまでの対応、DSD非対応、ACアダプターがスイッチング電源なのが惜しい、的な説明だと説明になってない、そんな感じ。かといって音楽に宿る生命力が削がれることなく、かつグランカッサではデリカシーの高さが...みたいなんじゃ余計怪しいわ!ってな感じ。そのどちらにも立ってないと思う。どちらかに立てて判断しようとすれば出来るわけで、そこをどう捉えますかね、というところ。
詳細は書かないけど一時期これの5倍位の価格のDACを使っていたこともあるけど(今思えば勇み足だった)、正直あまり変わらないというか、当然音に違いはあるものの少なくとも価格差に納得はできない状態ではあった。価値観がしっくりくれば、相当な価格のところまで対抗しうるクオリティがあると思う。
雑誌「MJ 無線と実験」には時々レビューが掲載されているが、あの評論に関しては結果的に違和感を感じないのはさすがプロの仕事...。

そんなこんなで説明になってなさそうだがまとまらないのでこの辺で一旦止めるとして、これでCDないしはPCからCDクオリティの音源を流すと、よく聴こえてしまい、殊更高額なハイレゾに傾倒する必要を感じなくなった次第。ハイレゾが嫌だとかダメだということではなくて、安価に買える方のメディアで満足感を得られるようになった。
問題なのはそのスペックではなく、音源の製造プロセス(録音・マスタリングなど)の方なのは間違いない。最新デジタル・リマスターってかえって不安になる...

あ、ちなみにこのメーカー(東京の"オーデザ"とは無関係の京都の会社)は納期2ヶ月以上かかるのでその点はご留意を(試聴してるだけにこの間非常に待ち遠しいのだが、少し忘れかかった)。