2013/12/18

意識の半透膜

スフォルツァート(Sforzato)のネットワークプレーヤー、DSP-03の試聴会@秋葉原Le Tabouに行った。

プリアンプはどこのメーカーか不明(Le Tabouのサイトに画像があるが小型銀色で丸っこい)、アンプ+スピーカーはMusik ME801K。

製品自体の良し悪し又は好き嫌いが二の次になるという、当日はなんとも不思議な印象だった。場所や内容が悪かったということではなく、録音の良し悪しがあまりにも印象を左右し、機器がどうのこうのということに意識が向かわない。
メーカー社長さん直々の解説でしたが商売っ気はあまり無く、割と冷静に聞けたと思うが(笑)、製品の試聴会だと銘打っているにもかかわらずこの感じは意外だった。

次々曲を流していくわけですが、88.2KHz,24bitとか192kHz,24bit、DSD2.8MHz、DSD5.6MHzなど様々なフォーマットが来てもボリュームの調整以外は全てiPadからスムーズに操作していた。

DSP-03との比較として
ターンテーブル:ThorensのおそらくTD2035
カートリッジ:SHUREの多分M97XE
フォノイコライザー:不明(プリアンプに内蔵のものを使用か)
を使用したアナログ盤も聴かせてくれたけど、これもまー実にソースの良し悪しだけが気になった。アナログ再生はもちろんDSP-03は関係ないので、プリとMusikの性質がよく出ているということか。

どちらが良い・悪いと全体的に言うことが出来ない。各ソフトで全て異なるとしか言いようが無い。

そしてトリでどうしようもない違いを見せ付けられたのは"カンターテ・ドミノ"のアナログ盤の初版と再発(兼リマスター)盤の比較。
って、エンディングに向かうにつれてどんどんDSP-03と関係ないんですけど(笑)。

比べてしまうと再発盤買う気無くす。ただし値段は10倍とかウン十倍しちゃう。
DSP-03を作った人が、過去の名盤で純粋に音質だけ取ればDSD5.6だろうがなんだろうがオリジナルアナログには勝てないと断言(自社製品の謙遜はあるにせよ)していた。
実際にはかかる費用やメンテナンス・使い勝手なんかを含めれば全部が全部そうするわけにいかないよね→DSP-03どぞー、ってわけですが。
全然知らなかったけど、カンターテ・ドミノってこういうオーディオ試聴ネタでのド定番ソフトのようだ。("長岡鉄男時代"からか)
なので、本日の内容も新興メーカーとはいえ日本のオーディオ試聴会のセオリーみたいなものを忠実に行っているようだ(そういうこと自体もよく知らない)。


DSP-03を取り巻く環境を考えると思考が散漫になってしまうので箇条書き
  • 過去のアナログ名盤かつオリジナルでもなければ、アナログ・PCM・DSDなどフォーマットだけ見ても良し悪しの判断は出来ない。同一作品で複数フォーマットが存在する場合は録音環境の情報がほしい。
  • 録音マスターがPCM(352kHzとか)で、そこからアナログを切ったりDSDに変換して売っているソフトはPCM(192Khz,24bit)を買うのが無難だと思う。
  • 録音マスターがDSDであるもののデモは確か無かったけど、この場合はそのままDSDファイルを買うのが良いと思う。
  • 本気でベストを見つけるなら全種類買って確認するしかない。
  • アナログはレーシングカー的な存在で、性能が出しきれる環境が整えばよいが、使い勝手も含め平均点は低め。
    →性能が出しきれる環境≒再発ではないオリジナルのアナログ盤。再発盤ましてやデジタルリマスターした盤とかだったらハイレゾPCMかDSD買った方がいいかと。安価なほうで。
  • NASはDSD対応という意味で現在のところBUFFALO一択で割高感あり。他のメーカーもそのうち対応するだろう。DSDを気にしないならDLNA対応であれば何でもよさそう。しかしDSDをオーディオマニアで完全無視できる人どれくらいいるか。ソフトさえあれば無視できない良さがあると思う。
  • 本体では何も操作できずリモコンも無いので操作ソフトはiPadやiPhone、iPod TouchでMedia Link Playerの購入を推奨。ギャップレス対応はMedia Link Playerのプレイリスト機能でのみ対応。うーむやはり肝はここらへんになるなぁ。
  • DSDファイルのギャップレス対応は現在バージョンは出来ないがファームウェア更新で対応するとのこと。
  • 外部10MHzクロック入力のデモは無かったので効果のほどは不明。
  • 評価がどうしてもDLNAサーバーとクライアントの使い勝手・NAS・ソースファイルの出来で見てしまうということは、つまり機器の癖がほとんど無いということになり、相当にいい出来なのだと思う。ものすごく澄んだ水で湖底が完全に透過して見えてしまうような感じか。水がきれいなのは分かるが水についてそれ以上言いたいことがない。
  • おそらく買ってほぼポン置きでこういう音質が得られると思われるが、それが出来る製品は実はあまり無いのかもしれない?これより高価な機器はそこら辺どうなんだろうよく分からない。
  • DSDまたはハイレゾの良さを生かすソフトの充実をとにかく望む、と言ったところか。44.1kHz,16bitである意味がDSP-03にとっては意味なさ過ぎ。例えばフォーマットが違うから切り替えが必要だとかいうことがないのでユーザー側で変な障壁を設ける必要がない。

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